シリコンウェハー、サファイヤ、ガラスなどを非接触にて厚さ・形状を測定いたします。
光干渉方式、変位計方式などお客様のニーズに合わせた測定機を提案・開発いたします。
赤外光を利用した非接触厚さ測定技術
赤外光は特定の物質の中を透過します。
この性質を利用して特定の物質の厚さを非接触で計測する技術です。
電子デバイスに使用されるシリコン、サファイア、水晶、その他化合物などの表面は高精度に研磨された状態なので、接触式で厚さを計測することは傷を付けてしまうため使用できません。
又、ゴムやフィルムや軟質樹脂なども接触式で厚さを正確に計測することは材質変形させてしまう為不可能です。
非接触で厚さを計測する方法としてはレーザーや静電容量などが一般的ですが、これらは変位計であり絶対値を測ることは出来ません。当社の赤外光方式では絶対値を計測することが出来ます。
赤外光で厚さを計測する原理
赤外光をワークに投射すると最初に表面で反射します。
更に赤外光はワーク内部を透過し裏面で反射します。
この表面反射光と裏面反射光を光学プローブで受光し、表面と裏面の反射光の時間差を光の干渉差として厚さを計測します。
多層での個別の厚さ測定が可能
この原理から上図の様な多層のワークの場合、各々の反射光の干渉差から個別の厚さを計測できます。
上記は反射光の干渉の状態をPC上に表示したインターフェースです。
波形の左側からR1~R4の干渉波になります。それぞれの干渉差(Peak to Peak)が各層の厚さになります。
絶対値測定の優位性
《相対値測定》
変位計は距離の差を厚さとして計測する相対値測定になります。この為、必ず基準面(零点)を用意しなければなりません。
更に基準面までの距離(Gs)は常に一定でなければ誤差を生じます。もし保てない場合や時間と共に変化する場合は測定の都度、零点リセットが必要になります。
《絶対値測定》
赤外光での測定は表面と裏面からの反射光の干渉差で求めるので、ワークをセンサーヘッドの下に置くだけで厚さの絶対値を計測できます。
ワークまでの距離(Ga)に多少の変動が生じても、その範囲が最大測定厚(約4mm)-ワーク厚さ(t)』以下であれば測定値、精度には影響しません。
この赤外光の方式では測定距離は約1000mmまで任意に設定することが出来、0.1μmの測定精度は維持できます。
※理論上は測定精度に対して測定距離の制限はありませんが、現実的にアライメント調整の難易度や光量レベルの問題で実質1000mm位が安定的な測定距離となります。